第4回　狂言ざゞん座

2009年05月23日(土)　午後2時開演　於：喜多六平太記念能楽堂　　　　　　　　


【番組】　
　　　　　
◆小舞『海道下り』中村修一　　　　　　
　地謡：野村万作、野村遼太、月崎晴夫、破石晋照

◆解説：竹山悠樹　　

◆狂言『萩大名』　　
　大名：深田博治　太郎冠者：岡聡史　亭主：石田幸雄
　後見：野村万之介　　

◆素囃子『早舞』　　
　笛：小野寺竜一　小鼓：田邊恭資　大鼓：大倉慶乃助　太鼓：梶谷英樹　　　　　　　　　

◆狂言『朝比奈』　　
　朝比奈：高野和憲　閻魔：月崎晴夫
　地謡：野村萬斎、野村遼太、深田博治、中村修一
　後見：野村万作　　　

◆狂言『文荷』　　　
　太郎冠者：竹山悠樹　次郎冠者：破石晋照　主：野村万之介　　　
　後見：野村萬斎　　　

※例によって曲のあらすじは省略します。　　　　　　　　　　　


小舞の中村君緊張しているのでしょうが、淡々と舞っていました。
解説の竹山くん、手元のマイクを見ながら「マイクが入っていませんね（電源の方が）」
と言って地声で話し始めていると、高のんが切り戸口から現れ、苦笑しながらマイクの
スイッチを入れて去っていきました(爆)。
解説は順番制らしく、今回は私になりましたと。意外（笑）としっかりとした語り口で、解
説の内容に関連した事柄を調べてきて披露していました。工夫していますね♪
話をするのは慣れているようでしたが、真面目な話しぶりは学校の先生の講義のよう
でした(笑)。


※『萩大名』

岡太郎冠者、一ヶ所間違えて後見万之介さんからプロンプが飛び、数秒フリーズして
しまいました。その後は何ごともなく終わりましたが、プロンプに反応するのは大変な
のですね(-.-;)裕基くんはプロンプにすぐ反応していましたが、小さいながらもプロの狂
言師ですね！
深たんの大名はおおらかで間抜けだけれど、可愛いくて存在感がありました。若手の
リーダーとしての風格が出てきました★
　　　　　　　　　　
素囃子も番組に入り、万作家らしい組み立てになっていました。

　　　　　　　　　　
※『朝比奈』

高のんは声も佇まいも堂々として強そうでした。妻役でも結構強そうですが…(笑)。対
する月崎閻魔、空威張りばかりで、弱いこと、弱いこと〜(爆)。朝比奈にコロコロ転が
されていましたが、流石体育会系！綺麗に転がっていました(笑)。あまりの身の軽さ
に子天狗を思い浮かべてしまいましたが、軽すぎかなぁ…（苦笑）。
しかし、面を着けて動き回るのはやはり大変らしく、途中かなり苦しそうでした。「身軽
になろう」と言って上衣を脱ぐところで、後見の万作さんが脱ぐのを手伝ったあと、面を
直しながら空気を入れていました。その後呼吸が戻っていましたので、さすが師匠だ
な…と感心しました。この師匠なればこそみんな成長しているのだな、と思いました。
今回月崎さんが、たくさんの台詞があるにもかかわらず、全く危なげなく演じ切ったの
も素晴らしいです。


※『文荷』

愚息がやはり万之介さんは格が違うと偉そうに言っていましたが、稚児好みなんて妖
しい役は万之介さんだから嫌味がなく見られるのですよね(笑)。竹山くん、以前から比
べるとかなり軽妙な味わいが出てきました。破石さんと比べると、やはり数段上です
(笑)。まだ笑顔が作り笑いっぽいのが気になりますが…(^_^;)

さて若旦那は地謡と最後の曲の後見でしたが、中正面の私の席からどちらも見えな
〜い（泣）。もっさり頭は相変わらずで、ハサミで切りたかったです(爆)。
垣間見た後見のお顔は演者に厳しい顔をしているだけでなく、チラチラと見所の反応
を伺う鋭い目をしていました。何を思っているのでしょうね(-.-;)
　　　　　　　　　　
地謡のことですが、最近万作さんの声が出ないのか万作さんが地謡に入ると妙に不
協和音になる気がします…ちょっと気になっています(-.-;)

ざざん座も４回目となり、同人以外の若手と組んでもきちんと見られる作品になってい
るのが素晴らしいです。一人一人が確実に成長していく様子が分かる（偉そう〜・汗）
のも楽しいです。
子供を後見に出している某家と違い、後見の方々がしっかりされているので、安心し
て演じられるのかも知れませんね。

セルリアンの「狂言のススメ」も若旦那なしでも楽しめ、おススメです(^O^)。