幸弘☆萬斎☆広忠　
　　能楽現在形　第6回公演

2008年8月7日（木）18:30〜　於：宝生能楽堂


◆狂言『朝比奈』　　　
　朝比奈：野村萬斎　　閻魔大王：茂山千三郎　
　地謡：野村万作・石田幸雄・深田博治・高野和憲
　笛：一噌幸弘　　小鼓：吉阪一郎　　大鼓：亀井広忠　　太鼓：観世元伯
　後見：月崎晴夫・鈴木実　　　　　　　

◆能『邯鄲』　　　　　
　シテ（盧生）：狩野了一　　子方（舞童）：狩野祐一　　ワキ（勅使）：宝生欣也
　ワキツレ（廷臣）：殿田謙吉・御厨誠吾・野口能弘・梅村昌功・則久英志
　アイ（宿の女主）：野村萬斎
　囃子方：上記同
　地謡：友枝昭世・粟谷能夫・出雲康雅・長島茂・友枝雄人・金子敬一郎
　　　　・佐々木多門・大島輝久
　後見：塩津哲生・中村邦生　　　　　


※『朝比奈』

近頃人間が賢くなって地獄にやって来なくなったので、罪人を責め落とそうとやって来た閻魔
様、千三郎さんとの先入観があるせいか空威張りをしているようにしか見えません。そこに７
つ道具を背にした朝比奈登場、生なり色の衣に大口袴、袖をたくし上げてキリリとしたその佇
まい。麗し過ぎ〜♪

以前、山本家で東次郎さんの閻魔を拝見しましたが、私は東次郎さんの閻魔の方が風格があ
って好きかも。閻魔が強そうなほうが、それに負けない朝比奈の強さが際立つ気がします。相
変わらず身体能力の高い千三郎さんですが、この次は鬮罪人の太郎冠者を見たいです。　　　　　　

※『邯鄲』

美しい女主人でした★揚幕から現れた時一瞬面をつけたシテかと…(^_^;)能面のように綺麗な
顔でシズシズと現れたので、声を出すまで若旦那と気付かなかった方も多かったようです。声
を発した途端に周囲の空気がザワッと動きましたから…(苦笑)。宿屋の女主人には勿体ない
です。以前小三郎さんで見ていたので、どうなるのかと危惧してましたが…。この女主人を見
ただけで、十分目福♪でした。『邯鄲』は一度金剛流宗家のシテで拝見しましたが、小三郎さ
んの女主人に違和感があったことと(爆)、最後にシテが凄い勢いで寝床に飛び込んだのが印
象残っているくらいの不謹慎な観客です。それでも一瞬の夢の間に皇帝まで登り詰める話は
愉しくて、最後まで意識が飛ぶ事もなく観れました。ホールで演出するとどんな風になるのか
…と想像して観るのも楽しかったです。

お囃子では幸弘、広忠の間で一郎さん頑張ってましたね。それでも達志さんの力強さには負
けてる気がします。幸弘、広忠の囃子は凄い！！このお囃子でしばらく拝見していない若旦
那の三番叟が見たいです！

プログラムの対談は一噌幸弘と土屋恵一郎。音楽的素養のない私にはチンプンカンプンの内
容ですが、間に入る寒いギャグは理解できます(爆)。三人それぞれの対談が終わり、次回の
プログラムはどうなるのか、それも楽しみです。