大槻能楽堂新春能



新年おめでとうございます、萬斎さんの仕事始めに付き合ってきました！
今日は自由席なので、せっせと家事を片付けてイソイソと出かけました。
正面席中央に座れましたが、先に席を取ってた前の人が戻ってきたら・・・背が高くって
・・・・。脇へ移ろうかとも考えましたが、良い席でしたのでそのまま観ることにしました。

大槻能楽堂自主公演1月公演・新春能　　2005年1月4日　14:00～
能『翁』　翁　　　　　観世　榮夫
　　　　　三番叟　　　野村　万作
　　　　　千歳　　　　斎藤　信輔　
　　　　　面箱　　　　深田　博治　　
　　　　　笛　　　　　杉　　市和
　　　　　頭取　　　　曽和　博朗
　　　　　手先　　　　曽和　尚靖
　　　　　胴脇　　　　成田　達志
　　　　　大鼓　　　　河村　眞之介
　　　　　狂言後見　　野村萬斎　高野和憲

狂言「岡大夫」
　　　　　聟　　　　　野村　萬斎
　　　　　太郎冠者　　月崎　晴夫
　　　　　舅　　　　　石田　幸雄
　　　　　妻　　　　　高野　和憲　
　　　　　後見　　　　深田　博治

能『張良』老翁・黄石公　大槻　文蔵
　　　　　龍神　　　　　生一　知哉
　　　　　張良　　　　　福王　知登
　　　　　張良の下人　　石田　幸雄
　　　　　
　　　　　　　　笛　　藤田　六郎兵衛
　　　　　　　　小鼓　久田　舜一郎
　　　　　　　　大鼓　山本　哲也
　　　　　　　　太鼓　三島　元太郎
　　
すいません、能後見・地謡は省略しました。
最後列の後ろに補助椅子も出て満員御礼でした。


「三番叟」だけは観たことがありますが、『翁』の中で演じられるのは初めてです。
切り火の後、面箱を持った深田さん先頭に静かに登場。
素襖の正装で全員出るはずですが、萬斎さんと高野さんがかろうじて揚幕の所で、そ
の後ろの方達は鏡の間でした。

「三番叟」
万作師は黒地、深田さんは青の装束です。
侍烏帽子で待機していましたので、烏帽子を付け替えて指定位置へ、静かな緊張感
が漲っています。
萬斎さんがシャープで切れ味のある「三番叟」とすれば、万作師のは熟成した味のあ
る「三番叟」でしょうか。
もちろん美しく、万感に迫る想いが致しました。
万作師が後見席で烏帽子・面をつける時に、萬斎さんが前に出てきて手伝う背中もピ
シっときれいでした。

『翁』終了後休憩時、お神酒が振舞われましたが私は飲むと寝るので(ここで寝てどー
すんの)遠慮しました。

「岡大夫」
婿入りの日に舅の家でおいしいご馳走を食べさせてもらった聟は、家に帰って嫁に作っ
てもらおうとするお話。

嬉や萬斎聟です！例のオレンジペロペロキャンディ段熨斗目に濃紺に鶴と松葉模様の
素襖で登場。
「舅に可愛がられる花婿です！」「なじんだ証拠に青梅を食べている」(笑)など、「二人
袴」と同じ台詞が出てきました。
舅に勧められて三宝に乗った名物を、舌鼓をうちながら食べるのですが何回聞いても
名前が覚えられない。
「もっとお食べなさい」と言われるままに、三宝を斜めにして最後まで食べてしまった聟
殿。「・・で、何と言うものでした？」(何で覚えられへんねん！とツッコミの笑)
そんなに気に入ったのなら、娘が作り方を知っているから家で作ってもらいなさいと舅に
言われます。
『岡大夫』と嫁に言えば判ると舅に言われ、「岡大夫岡大夫岡大夫・・」と呟きながら帰
りますが・・やっぱり忘れてしまいました。
名前を忘れてしまったのに、嫁にご馳走になったのをつくってくれと言います。が、高野
嫁にすれば何の事やら判りません。
思い出すきっかけのために、嫁が知っている限りの漢詩に節をつけて謡います・・・・。
この後の二人の行動からヒョコっと「わらびもち」が出てきてめでたく終わります。

萬斎さんのわらびもちを美味しそうに食べるしぐさの上手なこと。舌鼓も２回タタン！
三宝を傾けて隅っこのまで食べる様には、身に覚えのある方たちからの笑いでしょうか？

この「岡大夫」というのは、昔百姓がお供えをした所、とても美味しかったのでこの名前
を頂いた。・・・みたいな話を舅がしていました。ご存知の方がいらっしゃいましたらフォ
ローお願い致します。

萬斎聟＆高野嫁で新春から楽しい公演でした。