下平克弘演能会

8月31日(日)13時30分開演　於：観世能楽堂

◆舞囃子　『高砂』八段之舞　　藤波重彦　　　　

◆仕舞　『屋島』　　　　　　松本尚之
　　　　　 『草子洗小町』　 三木美智子
　　　　　 『放下僧』　　　　 川原恵三
　　　　 　『阿漕』　　　　　　今井泰介　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（地謡、囃子略）
　　
◆狂言　『船渡聟』
　　　　　　　シテ舅：野村万作　　シテ聟：野村萬斎　　アド姑：野村万之介　　　　　　　

◆舞囃子　『羽衣』彩色之伝　　観世清和
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（囃子、地謡略）　　　　

◆能　『安宅』勧進帳　瀧流之伝　　　　　　　
　　　　　　　シテ弁慶：下平克宏　　ワキ富樫：殿田謙吉　　子方：藤波重紀
　　　　　　　同山：武田友志他八名
　　　　　　　間(強力)：野村萬斎・(従者)深田博治　　　　　
　　　　　　　大鼓：柿原崇志　　小鼓：曽和正博　　笛：一噌仙幸
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（地謡、後見略）　


開演直後の舞囃子、仕舞は昼食の後ということもあって、ひたすら沈没。途切れ途切
れには記憶があるのですが…(爆)。

最強トリオの船渡聟は「能の合間のコミカルなコント」の域を越えて見所を圧倒してい
ました。特に最後の二人の舞は若旦那の美しく響く謡とともに、ため息がでるほど美し
いです。拍手も大きく長かった！若旦那の聟は、40を越えたせいか(爆)茶色で下の方
がグレーの掛け素襖に白に黄緑の縞熨斗目、浅黄色の袴と地味めな色合い。でも七
三にピチッと撫で付けた髪といい、品の良い都の「器量よし」(笑)聟そのものでした。万
作さんの酒好きで我儘な舅は、全くしょうがない奴ですが、でも憎めなくて思わず苦笑
してしまいます。後半、万之介さんの姑に髭を剃られ、妻に頭の上がらない情けない夫
振りも可愛いかったです♪

宗家の舞囃子はやはり美しかったです！羽衣の美しくもおおらかな雰囲気が感じられ
ました。と言いつつも、やはり時々意識は飛んでいましたが(苦笑)。

能「安宅」の弁慶は下平さんの披きだそうでシテの緊張が伝わってくるようでした。そ
れに引き換え、我らが狂言師コンビ、富樫の家来深たん、強力の若旦那ともに場数を
踏んでいる(笑)ので落ち着いたものです♪深たんの肩衣は鬼瓦。梃子でも義経一同
は通さないぞ…の強い意志表示。最初弁慶一行が揚げ幕から次々と現れますが、直
面なので若旦那の美形が一層目立ちます★一行が縦二列に向かい合い旅の次第を
謡う場面で、一番後ろにいる強力が一人で謡うところがありますが、いつもワクワクし
ます。能の中で短いですが、若旦那の謡が聴けるのは嬉しいですね。あくまでもシテを
たててのアイですが、自然に溢れるオーラは仕方ないですよね（苦笑）。シテは豪快な
弁慶という感じではなかったですが、義経を守るための必死さは感じられました。真面
目な？感じの弁慶で好感が持てました。　　　
今回はキリリと引き締まった間コンビに満足の一日でした★