横浜能楽堂普及公演　横浜狂言堂
10月12日(日)午後2時開演　横浜能楽堂


　　
◆解説　高野和憲　　　

◆『柑子』
　　太郎冠者：野村万作　　主：石田幸雄

◆『泣尼』
　　僧：野村萬斎　　新発意：野村万作　　尼：石田幸雄　　施主：高野和憲



横浜能楽堂人気企画・毎月第2日曜日は狂言の日…はプロの狂言師が出演するのに指
定席が2000円とお得です。

※解説

高のんの解説上手くなりました〜＼(^o^)／
今回は狂言で使う小道具の紹介。風呂敷包から道具を取り出す様子は何故か微笑ましい
です♪『雷』で使う針と槌、『鎌腹』の鎌、『釣針』の針の他、『隠狸』の狸が紹介され、見所
を和ませていました。また、『船渡聟』の鯛の作り物を見せて「養殖か天然か？」と質問し
ておいて、「偽物です」と落ちをつけるなど工夫しています。最後、少し時間が余ってメモを
見ながら話を繋げていたのは、ご愛嬌（笑）。

※『柑子』

昨夜人から頂いた珍しい三つ成りの柑子（一つの枝に実が三つなる）を、預けていた太郎
冠者に返せという主人に、太郎冠者は食べてしまった言い訳をあれこれ言って誤魔化そう
とします。最後の言い訳が俊寛僧の物語と掛けてこと、六波羅は何を意味するのか、など
分かっていないと理解しにくいので最初見た時はあまり面白くありませんでした。今日は
見所の反応も良く楽しかったです。やはり普及公演には解説が必要ですね。　　　

※『泣尼』

田舎人に法要を頼まれ、一度はつれなく断る萬斎僧。お布施の金額を聞いてコロッと態度
を変えるのはお決まりの設定。そのくせ、自分の説法に自信がなくて、良く泣いてくれる尼
にサクラを頼むせこさです。しかし、尼は説法の間ずっと居眠りをしていて、咳払いや
「泣く」に関わる話をして泣かそうとする萬斎僧が、悪戦苦闘する様子が面白く笑えます
（笑）。説法中は寝ていて、終わった途端に「よい説法だった」と泣き出す尼は、よい根性し
ています（苦笑）。　説法の時に泣かなかった尼にお布施の分け前をあげない…と言う僧
の言い分は正しいと思うのですが、逆に尼に追い込まれる結末はいつも？？？です(*_*)

今回の『泣尼』は、私的には、若旦那の僧で今まで数回見た中で一番良かったです★全
体的に嫌味のない僧でしたし、石田尼とのやり取りの間も絶妙で、大いに見所を沸かせて
いました。最初見た頃は完全に石田尼に主導権をとられていたことを考えると、随分かわ
ったな、と感慨深いです（保護者目線になっていますが…笑）。それにしても、一公演の中
で、主と尼という全く違う役をキッチリと演じきる石田さんは、やはり凄い人です！