夜桜能 第三夜

2009年4月3日(金)　18時40分開演　於：靖国神社能楽堂
（地謡、後見は省略）



火入式

●舞囃子『右近』　　近藤乾之助

　　大鼓：柿原 光博　　小鼓：曽和 正博　　太鼓：観世 元伯　　笛：一噌 隆之

●狂言『鈍太郎』

　　野村萬斎　　深田博治　　高野和憲

●能『嵐山』白頭

　　シテ：小倉 敏克　　勝手：田崎 甫　　木守：小倉 伸二郎　　姥：小倉 健太郎
　　ワキ：森 常好　　　 ワキツレ：舘田 善博・森 常太郎
　　間：石田 幸雄
　　囃子　　同上



３日は寒さもそれほどでなく（といってもカイロがよく売れていましたが…）風もないので
最高の夜桜能になりました。火入れ式には間に合いませんでしたが、近藤乾之助さん
の舞囃子『右近』から拝見することが出来ました。近藤さんの舞の型はキリリとして美し
いのですが、足元がやや覚束ない場面があって気になりました。能『嵐山』のシテ小倉
敏克さんもそうですが、宝生は御大がシテを勤めることが多いですね。足元があやしく
なってきたら他の方に譲るということはないのでしょうか？俗人の私は足元に気がいっ
てしまい、能の世界に入り込めないので…。
　　
『嵐山』の替間は「猿聟」ですが、今回は通常？の間なので、石田さんの末社の神が
吉野の桜を嵐山に移した経緯を語り、ひとさし舞って退場します。後場に出てくる木守
（こもり）と勝手（かつて）は若い男女の神で連れ舞がなかなか美しかったです。後場の
シテは飛出の面を付け蔵王権現として出てきますが、やはり迫力不足な気がします
(-.-;) 次回は「猿聟」が入った『嵐山』を是非にも見たいです。　　　　

後見に宝生の家元が出てらして、一畳台を運んでました。若い家元には何事も修行な
のでしょうが、清々しさを感じました。

狂言『鈍太郎』は萬斎、深田、高野のベストメンバー！本妻の立場としては萬斎鈍太
郎の露骨な依怙贔屓(爆)には複雑な思いですが、可愛いので許しちゃいます★時間
の都合なのか、一部分省いたところがありました。狂言の会なら、手車に乗る前に見
せてくれる飛び返りもなく、寂しかったです。それにしても、途中省いても三人ともよく間
違えないものですね。感心します。
　　　
一気に咲いた桜と天候に恵まれ、金曜日ということもあり、参道は人が溢れていまし
た。勿論お花見を名目の宴会ですが、場所柄会社帰りのサラリーマンが陣を取り車座
で騒いでおりました。お陰で境内にある能舞台にたどり着くまでに、人を掻き分けて進
むのが大変でした(^_^;)。